気温が上がってくる時期には「熱中症」という言葉を聞くことが多くなると思います。
特にここ最近では夏でなくても暑さが強い時が多く体調を崩してもしかして熱中症かも?と感じる方も多いのではないかと思います。
そして夏の暑さがピークの時には熱中症では死者が出るなどの命の危険にも直結する可能性があります。
厚生労働省人口動態統計では熱中症による死亡数は、1993年以前は年平均67人ですが1994年以降は年平均663人に急増加、そして2020年には1528人と減ることなく増加していっています…
それでは熱中症とはどのような原因で起こり、どのように予防すればよいのかを確認していきます。
熱中症とは?
熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れたり、体温の調節機能が働かくなったりして、体温の上昇やめまい、けいれん、頭痛などのさまざまな症状を起こす病気のこと。(全日本病院協会 HPより引用)
症状は重症度によって違いますが立ちくらみ、筋肉痛、筋肉の強張り、頭痛、吐き気、意識障害、痙攣、高体温など様々です。
熱中症の予防には?
熱中症の予防には下記が挙げられます。
・暑さを避ける
・服装を工夫
・水分補給(特にミネラル補給)
・暑さに備えた体作り(暑熱順化など)
様々な要因からの影響で熱中症になる可能性があるのでどれも重要な内容ですが、今回は水分補給の要となるミネラルの中でも熱中症予防に最重要そして最注目の『マグネシウム』について確認します。
マグネシウムは体内の体温調節をする重要なミネラルの1つ
ヒトの体の中には約25gのマグネシウムが存在してすべての細胞に広く分布しています。約50~60%は骨に1%は血中に存在すると言われています。
ヒトは酵素と呼ばれるタンパク質の化学反応(酵素反応)により消化・吸収・代謝といった生きるための働きを調節しています。
体内の酵素が反応するためには補酵素が必要ではありますが、その補酵素の中の1つであるマグネシウムは300種類もの酵素反応に関わるとされています。
タンパク質の合成、神経伝達の制御、心臓機能の維持、神経伝達、筋弛緩、血圧調節、骨の強化などの様々な体内での働きがありますが、今回の熱中症予防に重要な「体温調整」にも深く関わっています。
ある実験では、気温40度の部屋で毎日2時間のルームランナー歩行を10日間実施し、歩行の前後に血清、白血球などの単核細胞、赤血球の3か所に存在する血中マグネシウム濃度を測定しました。その結果、身体が高温に晒されて過酷な状態になる度に、血清マグネシウムは単核細胞に移動しました。そして、赤血球マグネシウム濃度は5日まで上昇し、その後10日までには徐々に調査開始時近くの値まで低下しました。この実験結果からも、マグネシウムは体温に伴い血液中を移動し、体温調節に重要な役割を果たしていると考えられます。(猛暑から身体を守ってくれる「3つの栄養素」 より引用)
なぜマグネシウムは不足しやすいのか?
300種類もの酵素反応に関わるということは体内で生命活動をするために常に多くのマグネシウムを消費していると置き換えても過言ではありません。
そしてマグネシウムは体内で合成することはできず、食べ物を中心に摂取することで蓄積しなければなりません。
マグネシウムは体内で合成できないため、食事でとる必要があります。大麦や雑穀など昔ながらの日本食にはマグネシウムを多く含む食材が豊富なのですが、あまり食べられなくなったことに加え、ミネラルが豊富な粗塩から精製塩が主流になったことで、いまやほとんどの人が慢性的にマグネシウム不足です(熱中症予防に必須のマグネシウム より引用)
現代人は昔と比べ食事状況の変化など様々な要因から慢性的なマグネシウム不足と言われています。
そしてこの異常な暑さの環境の中、大量の汗をかくと体の水分、塩分、カリウム、そしてマグネシウムなどのミネラル成分なども失われてしまうことは情報としては周知の通りだと思います。
上記のミネラルは体温調整機能も担うので多量に失うが多量に必要なため、栄養素の不足による体温調整不足により汗が出なくなり熱を発散できず熱中症に陥りやすい状態になる可能性が非常に高くなります。
他にもマグネシウム不足における初期症状としては疲労またはエネルギー低下、吐き気、食欲不振から嘔吐につながる恐れ、回復時間の鈍化。より深刻な症状としては筋肉の痙攣、しびれ、免疫系機能の低下、不整脈、心臓発作につながる心臓血管の血栓形成などそのほかの心臓の問題、低血圧症は要注意です。
マグネシウムを摂取する方法と摂取量
食事からの摂取では上記の食品から摂取するのがおすすめです!
日本の厚生労働省「日本人の食事摂取基準」ではマグネシウムの一日あたりの推奨量は18〜49歳の男性は340~370mg、女性は270〜290mgとされています。
ですが米国立衛生研究所(NIH)によると19~50歳の成人男性に推奨される一日あたりのマグネシウム摂取量は400~420mg、同じ年齢層の成人女性の場合は310~320mgの摂取量の目安が違います。(体のサインに注意! 知っておきたいマグネシウム欠乏症の症状 より引用)
年をとると栄養を吸収する能力が低下し排泄量が増える傾向があるため、51歳以上の成人の場合は推奨される最大量のマグネシウムを摂取するようにと勧めている専門家もいます。
100万人の分析結果からマグネシウムの摂取量を増やすと、脳卒中、心不全、糖尿病、全死亡率のリスクが低下とマグネシウムが1日あたり100mg増加するごとに、全死亡率が10%低下したというデータもあるそうです。
「厚生労働省による推奨量は、50歳以上の女性で290mg/日ですが、実際には1日当たり、推奨量に対する不足量は平均約80mgほどであると考えられます」
東京慈恵会医科大学の客員教授で医学博士の横田邦信先生も1日のマグネシウムの摂取量の少なさに対して警鐘を鳴らしている内容の記事もあります。
おすすめの方法は頻度高く摂取できる特製マグネシウム水!
前述したようにヒトではマグネシウムが多量に日々消費されている可能性が高いです。
その日々消費しているマグネシウムを補うためには少量でもいいので頻度を高くして摂取するのはおすすめです!
普段飲んでいる飲用水に天然塩、岩塩、にがり、高濃度マグネシウムのリキッドなどを入れて特製のマグネシウム水にして飲むといいと思います。
少量で高頻度の摂取では起こる可能性は低いですが…
摂取することで下痢にあるようでしたら量を減らすか、頻度を減らすかで調整してください!
下痢になるということは摂取したマグネシウムが吸収されず、外に排出されてしまっている可能性が高いからです。
自身の体の反応や状態を確認しながら摂取するのがいいと思います!
他にも夏の陽射しで表面の皮膚が火傷のような状態や皮膚が乾燥することによって皮膚や表面の細胞の水分やマグネシウムを枯渇していく可能性があります。
マグネシウムは皮下吸収と呼ばれる皮膚からも吸収をしやすい特性があるので入浴時にマグネシウムを入れ、皮膚から吸収させれることはマグネシウムの蓄積とともに陽射しや日焼けからも肌を守ってくれる効果があると思います!
毎年暑い時期が苦手で体調をすぐに崩してしまう…
夏は食欲が出ずに元気が出ない…
必ず熱中症になってしまう…
そんな方は意識的にマグネシウムを摂るような生活を心がけてみてください!