尿酸と痛風を知る

本記事は神戸ナカムラクリニック中村篤史院長から許諾いただき、「院長ブログ」に掲載された「尿酸」を再編集したものです。

尿酸は本当に身体に悪いのか?

健康診断の血液検査でみなさんがご存知の数値の一つが尿酸ではないでしょうか。これが高いと痛風になるというのはよく知られているかと思います。実は、これを除けば尿酸は体に悪いということはありません。それどころか、尿酸はビタミンCをはるかに上回る抗酸化力があり、ヒト血清中の抗酸化物質の半分は尿酸が占めています。人類は進化の過程でビタミンCの体内における生合成能力を失った代わりに、尿酸で抗酸化力を保つようになったという説もあるくらい尿酸は重要なものなのです。

すでに痛風を発症しているならまだしも、血液検査で尿酸の数値が高いことだけを理由に尿酸降下薬を使うというのは、メリットよりデメリットがはるかに大きいのです。コレステロールが高いから、下げようと躍起になるのと似ていますね。でも実際は、コレステロールは細胞膜やホルモンの原料として必要なもので、統計的にはコレステロールの高い人は癌になりにくいですし長寿だと言われています。

現代医学というものはとにかく悪者を作りたがります。血圧が高いとなれば、「下げろ、下げろ」の一点張りです。なぜ血圧が高いのか、その原因をさぐり下げるべきかどうか判断するということはありません。善悪を決めて事象を単純に二極化すると、製薬会社にとっては薬を売りやすいからでしょうか。

癌でさえも必要な物質!?

でも、人間の体はそんなに単純ではありません。良い働きをしているような、でも悪い働きもしているような、という白黒つけがたい物質がほとんどです。

本当にそうですか?たとえば、癌なんて厄介者以外の何者でもないですよね?

こんな声が聞こえてきそうですが、あえて言えば癌でさえ体にとって必要だからこそ存在しているのです。癌にかかる人は、たいてい農薬、添加物など、体にとって有害な化学物質の血中濃度が高いはずです。癌はそうした異物の濾過装置として機能しているのです。もし癌がなければ、そうした有害物質が全身に散って、もっと深刻な、もっと致命的な急性症状をきたす病気になるでしょう。逆に、食事や生活習慣に気をつけて体内の異物や毒物が減れば癌が存在する理由もなくなります。

筆者の見解
中村先生の本音としては、たとえ痛風発作を発症している人であっても、尿酸降下薬で治療するというのは、方法論としては下の下だと考えていらっしゃいます。投薬する前に、まず食事の改善が絶対条件ですし、それで充分だとも考えています。オーソモレキュラー栄養療法としてサポートするなら、ビタミンCを投与するでしょう。アダプトゲンを使うなら、「guduchi」のサプリメントがよく効くようです。

具体的な食事改善としては、いったん肉食を控えることでしょう。さらに、化学調味料(MSG:グルタミン酸ナトリウム)を避けることです。かなり昔から痛風の患者さんは血中グルタミン酸濃度が高いことは指摘されていますし、その機序も分かっています。

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJM196910022811405

化学調味料の有害性についても、データがあります。

http://science.sciencemag.org/content/164/3880/719

少し古いデータですが、『サイエンス』などは、インパクトファクターも高いですし引用回数も多い論文ですから、今でも全然古さを感じません。

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ABOUTこの記事をかいた人

續池均

セブンシーズ・アンド・パートナーズ株式会社代表取締役  大学卒業後、食品メーカーに7年勤務し、ITベンチャー企業へ転職。2005年12月に事業管掌役員として東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たす。その後、独立起業し現在に至る。 四児の父として育児に奔走しつつ、自らの體の再生に光を当ててくれた整体に興味を抱き2016年に「ミオンパシーサロンUROOM」を開業。5年の整体院経営で培った理論と実践からMTR Method™️を開発。「筋肉チューニング整体院UROOM」へ昇華改名し、オーソモレキュラー栄養療法に基づく栄養ストラテジーを実践する健康食品ブランド「医食同源Lab」の開発など人體研究者として邁進している。